お知らせ

2019.06.13 公開

京料理って何?

皆様、こんにちは。

以前からよくご質問頂いております「京料理って何?」ということですが、はっきりと「このお料理です」ということはないと思います。

ただ「京料理」と申しますのは、京都の風土・文化・習慣などが色濃く反映されて出来上がった料理だと思います。

その昔京都は「痩せた土地で作物は育たない」「海からは遠い」しかし時の天皇や宮家、公家はある。

といった特殊な環境が食材を集約するチカラと食材を大切に扱うことの両立につながっているのだと思います。

昨今の華美に作られた料理が悪いとは思いませんが、本来の意味を鑑みずに「京料理」と声高に言うと的外れかもしれません。

お出汁ひとつにしても手間と暇と工夫と経験と技術を要します。

まさに修行ですね。

写真の「焚き合わせ」はお野菜一種類ごとに別々のお鍋で味付けをしています。

お芋さんにはお芋さんの、牛蒡には牛蒡の風味や特色がありますので、その特色を最大限に引き出す味付けを致します。

更にその日の仕込みでその日にご提供出来る訳ではなく、温めて冷まして、また温めてとお野菜の様子を伺いながら「今」という時にご提供致します。

最後に器で合わせて「焚き合わせ」の完成ですね。

そして最大の特徴は「ほとんどの食材から出来る限りゴミを出さない」ということです。

命あるものをお料理にして頂きます。

その命の一雫さえ無駄には致しません。

神社仏閣の多い土地ならではの、食材の乏しかった土地ならではの精神なのかもしれません。

このように、「京料理」とはあくまでも地方食でありながらも発展を遂げた洗練性の高いカテゴリーなのかもしれません。

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