2021.04.02 公開
月替りの短歌・卯月 店主編
皆様、こんにちは。
本日、ご紹介致しますのは
「月替りの短歌・卯月 店主編」です。
店主の卯月は
【霞とも 朧(おぼろ)とも知れず 愛しとて たぐりし袖に 三勾(みわ)の苧環(おだまき)】
と詠みました。
春の霞んだ空気は、日中は「霞」と日暮れ以降は「朧(おぼろ)」と表現致します。
奈良の三輪山に御鎮座まします【大神神社(おおみわのかみのやしろ)】の大物主命(大国主命)にまつわる伝承物語(三輪山の名前の由来)を引用し、
あぁ、愛しい若君よ。
私はどこのどなたとも知れぬ貴方を昼とも夜とも関係無くお慕いしています。
貴方の御身分やお住まいを知りたい一心で、貴方のお袖に糸をくくりつけました。
みるみる出ていく糸がようやく止まり、残った苧環(おだまき→糸車)は僅か三勾(みわ→三輪)でごさいました。
糸をたどりたどった先には大神神社の御祭神であられる大物主命が御鎮座されていた。
身分は違えど、私が貴方をお慕いする気持ちに変わりなどありましょうか。
の意を込めました。
桜吹雪の中で、いにしえの恋物語に想いを馳せるのもロマンチックですね。
(^_^)