2020.03.02 公開
月替りの短歌・弥生編
皆様、こんにちは。
本日、ご紹介致しますのは【月替りの短歌・弥生編】です。
店主の弥生は
【若草の 春日祭(かすがのまつり)にまかりせば 古(いにしえ)の風に 想ひめぐらむ】
と詠みました。
3月には奈良県の春日大社において、春を告げる大祭が催行されます。
まさに風物詩と言えるお祭りのひとつです。
現在とは月こそ違いますが、趣旨を同じくして平安時代から執り行われています。
三十六歌仙に名を連ねる【壬生忠岑(みぶのただみね)】もこの大祭を訪れた折に歌を詠まれ、古今和歌集に掲載されています。
【春日野の雪間をわけて生ひ出でくる 草のはつかに見えし君はも】
大祭に赴いた折に人の間にちらりと見えた、雪解けにでる新芽のようなはつらつとした女性はいづれに行かれたことだろうか。
と、一目惚れをした瞬間を切り取り詠まれました。
そんなロマンチックな出来事を思い描きながら歩く参内に優しく吹く風は、きっと今も昔も変わらぬことであろう。
今月の短歌に寄せました。
変わっていくこと、変わらぬこと。
いずれもが大切な時間の中にあります。
ちなみに壬生忠岑さん、この後に家中の者にかの女性を探し出させたそうですよ。
(^。^)