2022.10.07 公開
月替りの短歌・神無月・女将編
皆様、こんにちは。
当店が御座います、南国宮崎県は都城市。
先日まで汗を掻きながら仕込みをしていましたが、今朝からぐっと気温が下がり、快適に過ごせています。
(^ ^)
これから足早に秋が深まることでしょう。
さて、本日ご紹介致しますのは「月替りの短歌・神無月・女将編」です。
女将の神無月・10月は
【揺らぐまま 枝垂れてさくや萩の花 抜ける小道を優しく包み】
と詠みました。
女将の生まれ育ったここ都城市。
中でも女将の故郷は市郊外に位置しています。
市町村合併で都城市となりました。
たいへんに長閑で、今でもゆっくりと時間が過ぎています。
女将の実家から少し離れた場所に地域の集合墓地があり、その丘の周りで皆さんが大小の田畑で作業をされています。
女将がまだ幼い少女の頃、祖母が作業する畑までの僅かな道のりが大冒険でした。
隣家を抜け墓地まで辿り着くと、横に小さな小道。
うっそうと生い茂る葛や草花。
四季折々に小さな花が短い木々のトンネルに咲き誇ります。
ちょうど今時分は萩が枝をもたげて花を咲かせます。
幼い少女は
「怖いな」「行きたくないな」
「でもあちら側にはバァちゃんがいるな」
「行こうかな」
と小さな心が揺れています。
思い切って走って抜けた小さな森のトンネル。
「あらー!一人で来れたの!」
頭をくしゃくしゃと撫でてくれた祖母の「固い手」は、優しい愛に満ちたものでした。
今、女将の手は毎日の掃除で「固い手」になりました。
知らず知らずに女将の思い出のバァちゃんの手に近付いています。