2022.11.02 公開
月替りの短歌・霜月・店主編
皆様、こんにちは。
本日、御紹介致しますのは「月替りの短歌・霜月・店主編」です。
店主の霜月・11月は
【錦林(きんりん)に 修し験ずと山に伏す 霜立つ庭に出て(いでて)祈りし】
と詠みました。
「錦林」とは、京都東山の少し北に位置します【聖護院門跡】周辺の呼び名です。
明治期くらいまでは、鬱蒼とした森だったそうです。
「聖護院門跡」とは、山伏で有名な神仏習合の象徴のようなお寺さんで、比叡山延暦寺と熊野那智大社を源流とします。
「門跡」とは、代々の院主(お寺のトップ)のほとんどが、御皇族からおいでになられていたお寺です。
そうではない院主の時代も摂関家からおいでになられていました。
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朝早く、庭に降り立つと霜柱が立っている。
愛しい我が子は聖護院の山に入り、山に寺に生涯を捧げている。
寒くはないだろうか?
霜焼けにはなっていまいか?
温かい食事はとれているのか?
今となっては、只々祈るばかりだ。
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平安時代には、御皇族方や摂関家では、後嗣以外の嫡子はほぼ出家させられていました。
政争の具とならぬためとはいえ、母君のご心痛は計り知れないものだったでしょう。
誰かが誰かを思い、一心不乱に祈る姿を世の指導者諸氏には知ってほしいと痛切に願います。